戦国時代の劉禅 |
三国志の時代の劉禅を知っていますか?劉禅は三国志で主人公化してしまっている蜀の劉備玄徳の息子です。蜀は劉禅の時代であっさり幕を閉じました。劉禅はまさしく愚君の筆頭に上がる人物です。参考までにこんな話があります。蜀を潰した国の男が皮肉をこめてこう言いました。「祖国が懐かしいでしょう?」とすると劉禅は「今の暮らしはとても楽しく思い出すこともありません」と答えたそうです。さてこの劉禅に対抗できる戦国時代の男と言えば、今川氏真があがります。しかし今川氏真は国を滅ぼしただけではないのです。
今川氏真は今川義元が桶狭間で討たれた為に家督を急遽継ぎました。しかし弔い合戦をすることもなく遊興に浸り、他国の侵略を受けついに今川家は降伏して滅び、氏真は北条家に身を寄せることになりました。しかし氏真の凄さはここから始まるのです。彼は詩や和歌に長じており、特に蹴鞠は名人の域に到達していたのです。そしてなんと織田信長に蹴鞠を所望されるほどになりました。ところがその織田信長こそ親の仇であったのです。・・・・ところが氏真はあっさりOKして信長に蹴鞠を披露しました。もちろん世間の失笑を浴びたことは言うに及ばないでしょう。その後、北条家を去り放浪している所を天下人となっていた豊臣秀吉に見つけられ、なんと四百石を支給されることになりました。さらにその後元康に仕えることとなり江戸品川に移り住み子孫は品川氏を称し高家に列せられました。 これは偶然だったのでしょうか?いずれにしても今川家は氏真の代で滅亡しながらも氏真一代でまた日の目を見たのです。 |